NetBSD/dreamcast

1998年, 「セガは倒れたままなのか?」という強烈な広告の後, 衝撃のデビューを飾ったSEGAの次世代ゲームコンソール。それがDreamcastだ。そしてその後3年。SEGAは再び衝撃の発表を行い, Dreamcastはその短い一生を終えた。しかしそれはあまりに短い。Dreamcastにはまだ出来ることが残っているのではないか?

SEGA Dreamcastとは

SG-1000, markII, markIII, Master System, MEGA DRIVE, SEGA SATURNに続く7代目にして最後となるであろうSEGAの家庭用ゲーム機である。発表当時は1.3GFLOPSの高性能CPU, 秒間300万ポリゴンを描画する3Dグラフィック, モデムを標準装備など, まさに次世代機にふさわしいスペックを持ち, さらにWindodwsCEも動くことで話題を振り撒いた。
CPUのSH-4, グラフィック描画のPowerVR, そしてYAMAHAの音源といった主要なチップが全て日本で開発された日の丸アーキテクチャで作られているという特徴を持つ。さらにはオプションで各種入力装置から, ブロードバンドアダプタというEthernetインタフェースまでも発売される。内蔵モデムと合わせて家庭用ゲーム機の世界にネットワークゲームを本格的に取り込んだということは偉大な功績であろう。
2001年初頭。業績不振によりSEGAはゲームコンソールのハードウェアから撤退することが発表される。これによりDreamcastはその短い一生を終えることになった。

NetBSD/dreamcastって?

Dreamcastで動作するNetBSDである。ただし実験的な移植であり, 正式なリリースはまだ行われていない。さまざまな事情によりNetBSDが動作するものとそうでないものがある。簡単に言えばMIL-CD対応のものでなければ動作しない。対応しているハードウェアとしてはブロードバンドアダプタ, キーボード, 内蔵ビデオ(ただしまだテキストのみ), 内蔵シリアルがある。現在コントローラや各種ユニットはまだドライバが存在しない。しかしIDEインターフェースドライバを書いてしまった人もいるので, 今後の展開が期待される。
実験的な移植とはいえ, NetBSDであることには変わりはない。そのためもちろんIPv6 Readyであるし, 同じSHシリーズのCPUを採用するNetBSD/hpcshとユーザランドプログラムは同じものが動作する。なお, 2002年5月現在, シェアードライブラリはまだ動作していない模様である。

あるDreamcastユーザより

私はDreamcastを2台持っています。そのうちの1台は黒いやつです。一般にはR7という, パチンコ店仕様とも言われているやつです。やっぱりSEGAのゲーム機は黒いボディに金のロゴ。これが重要です。さらに私の黒Dreamcastは見てのとおり, あの「サムシング吉松」氏のサイン入りなのです! お願いしてドリームキャス子に「128ビットー」と叫んでもらいました。もう一生モンです。
Dreamcastはハードウェア的には非常にハイスペックですがメモリが16MBしかありません。もちろんゲーム機としてこれは結構な量なのですが, やはり汎用的に使うにはやや心もとないと言えます。せめて32MBあれば。ということで, NetBSD/dreamcastの使い道はやはり準組み込み機器的な位置付けが似合っているでしょう。IPv6だって使えるのだから, 何か面白いことができないかと思案中です。TVがあってネットワークがあってCDをセットするだけで使える, まさに家庭用コンソールとして役に立つといいなぁ, と。そういうことが出来るようになるまで, SGGGやPSOをやりつつも大切に使いたいですね。
 

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