xcast6

いま話題のxcast6とは何か? それはIPv6でインターネットに接続できる環境があれば誰にでもできるマルチキャストのこと。いままでのようにグループマルチキャストアドレスを取得する必要がありません。

xcast6とは何か

既存のマルチキャストはグループ毎に専用のグループマルチキャストアドレスが必要であり, 受信者はそのアドレスにjoinすることで受け取れるようになる。
マルチキャストはイベントの中継など, テレビ放送のような多数へ一方的に送信するような用途で真価を発揮するが, 顔馴染み数人でビデオ会議をしようと思った場合には大掛かりな仕組みである。
そこで登場するのがxcast6だ。xcastとはExplicit Multicast(明示的マルチキャスト)の略で, 6はIPv6を意味する。
IPv6の拡張ヘッダの中に宛先をすべて入れておくことによって, グループマルチキャストアドレスが不要になる。そして, 宛先のひとつをIPv6ヘッダの宛先に入れておけばxcast6を解釈しないルータが途中にあってもエラーとならずに配送が可能となり, IPv6が使える環境であれば今すぐにでも始められる。

xcast6対応OS, 対応アプリケーション

現在xcast6はNetBSDをターゲットに開発が進められており, NetBSDに対するパッチという形で提供されている。そのため最低限カーネルの再構築という作業が必要になるが, これはそれほど難しいものではない。
対応するアプリケーションで代表的な物にはビデオ会議を実現するvicおよびratがある。どちらもマルチキャストを利用するインターネット会議システムだが, これらをxcast6対応にしたものである。これらによりIPv6接続環境さえあればネットワークの構成を変更することなく複数箇所を結んで電子会議を行うことが可能になっている。
さらに現在NetBSD以外のIPv6対応OSへのxcast6の移植も進んでいるようで, Linux等の他のOSで動作する日もそう遠くないようである。
▼xcast6 project
http://sourceforge.net/projects/xcast6

xcast6体験者より

気が付いたらハマってましたね, いろいろな意味で。ISPにxcast6ルータ設置の要望を出してみたり, 開発している方々にバグ・レポートを送ってみたり, 「つどい」で実演してみたりと, 地道な活動をしています。
NBUGではISPのIPv6実証実験に参加している有志数名で毎週日曜夜(例会等のイベントがある場合は除く)に「NBUG未公認 xcast6 Online Meeting」と題し, 勝手にxcast6 meeingを開催しています。IPv6接続環境がある限り続くと思われますので, 興味のある方はNBUGメーリングリストで気軽にお聞きください。

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